弁護士の受任通知が届いたら
2019.04.12更新
家を出て行った配偶者の代理人弁護士から、「受任通知」と題した書面が届いた。
その書面には、「窓口は当職となりますので、本人に連絡しないでください」と書いてあった。
ある日、家に帰ったら、配偶者と子がおらず、テーブルの上に「連絡は弁護士にしてください」という置き手紙があった。
このような場合、本当に連絡は弁護士を通す必要があるのでしょうか。
本人に直接連絡を取ったら駄目なのでしょうか。
弁護士という立場上言いづらいのですが、「連絡は弁護士を通してください」というのはあくまで「お願い」です。
法的拘束力はありません。
これが借金の取り立てなら、弁護士を通さず本人から取り立てるのは違反です。
貸金業者の決まりがあるからです。
しかし、離婚にはそういう取り決めはありません。
なので、あくまで「お願い」です。
現実的には、代理人を通してほしいと言っている以上、代理人に連絡すべきです。
代理人がついているのに、本人にも連絡しても混乱するだけです。
強硬に本人に連絡することが、後で不利に働く可能性も否定できません。
ただ、離婚というのはあくまで当人同士の合意に基づくのが一番です。
弁護士を窓口とするのも、あくまで「その方が合意形成に役立つから」のはずです。
当人同士では解決できないことも、代理人を介せば冷静に話し合える。
それが代理人を入れる第一の目的のはずです。
代理人をつけるのは、たとえば借金の取り立ての場合のように、相手を遮断する、拒絶することが目的ではありません。
なので、きちんと話し合いが行えるのであれば、当事者同士の連絡はむしろ取ってくれる方が望ましいはずです。
当人同士が連絡を取れる状態に持っていくのが望ましい、という意識は忘れないようにしています。