面会交流はなぜ「月1回」なのか
2019.02.24更新
調停や訴訟で離婚する場合、面会交流の頻度は一般に「月1回」です。
当事者が合意できればもっと頻度を上げることは可能です。
でも、一方があまり積極的ではない場合、裁判所が示す一般的な回数は「月1回」になります。
「月1回」には、別に法的な根拠はありません。
子の発育等を考えた科学的根拠があるとも聞いたことがありません。
単なる慣習です。
裁判所まで持ち込まれるような離婚は一般に揉めている。
揉めている離婚では、月1回の面会交流が精一杯だ。
そういう意見もあります。
でも、離婚に至る原因は何も子に関することだけではありません。
どちらかの不貞などが原因で揉めているが、親子関係には別に問題ない。
そういった件だってたくさんある訳です。
現在は父親とは別居しているが、同居している際には、むしろ、父親の方が子育てを中心的に担っていた。
そういった件だって珍しくないわけです。
そういった場合にまで、親と子が触れる機会が月1回で足りる訳がありません。
それ以上の密接な関わりを保つことをきちんと定めた上で離婚したいと思っても、裁判所が協力してくれない。
せいぜい「月1回」までが一般的だと言われる。
しかも、その「月1回」の根拠はどこにもない。
これはやはり問題だと思います。
裁判所の作成する調停条項案は、こと面会交流に関して、もっと柔軟な方向に変わるべきです。
そもそも「面会交流」で足りるというのが、親の子に対する関わりを軽視しているのでは、という話はまた別の機会に。
弁護士 小杉 俊介