借金は財産分与の対象にならない
2019.01.16更新
結婚中に築いた財産は、離婚する際、財産分与の対象になります。
離婚の理由に関わらず、原則2分の1です。
一方、結婚中の借金は原則として財産分与の対象にはなりません。
夫婦生活のために作った借金でも、借金した人がそのまま背負うことになります。
例外もあります。住宅ローンです。
住宅は離婚時点での現在価値で分与されますが、その際、住宅ローン残額は引かれます。
マンションの査定額が3000万円だとしても、住宅ローンが2000万円残っていれば、財産としての評価は1000万円です。
でも、マンションの査定額が2000万円で、住宅ローン残額が3000万円の場合は、マイナス1000万円とはなりません。
借金は分与されないので、マイナスになったらゼロと一緒です。
つまり、手許に1000万円の借金が残ることになります。
お金を貸す側、つまり銀行のことを考えれば、この結論はやむを得ません。
借りた人が離婚したら、その人の債務が半分になった、というわけには行きません。
ただ、当事者間での公平はもう少し考えられるべきではないでしょうか。
債務が残る場合、他の財産から差し引くくらいは認められてしかるべきだと思います。
弁護士 小杉 俊介