
ChatGPTなどのAIが普及し、弁護士の離婚相談も変わりました。
「ChatGPTで調べたんですが…」
「Geminiはこう言ってました」
と言われることが増えました。
従来の検索と違い、一般的な知識ではなく、自分自身の条件に合わせて回答してくれる。
疑問にそのまま会話で答えてくれる。
相談者の方が、弁護士の前にまずAIに聞くのも当然です。
では、AIは離婚に関する弁護士の仕事を奪うか。
そんなことにはならない。
自信を持って言えます。
そもそも、離婚についての法律や裁判所の仕組みは決して難しくありません。
AI以前から、インターネットで読めるような解説で十分理解できます。
裁判所や弁護士が関わる離婚は全体の一部に過ぎず、多くは当事者のみの協議離婚です。
専門家でないと理解できないのでは、制度として成り立ちません。
離婚事件で問題となるのは、知識や理解ではありません。
例えば、養育費の存在は知っている。
金額も算定表を見ればだいたい分かる。
でも、納得行かない。
なぜ、こんな金額をずっと負担することになるのか。
なぜ、この程度の金額で我慢しないといけないのか。
真の問題はこの「納得」の部分にあります。
納得できる方向を目指す。
結論に納得していただく。
そのために言葉を尽くして説得もする。
そういった部分がAIで代替可能だとはまったく思っていません。
コロナ禍以降、家庭裁判所の調停もウェブ会議方式が増えました。
ウェブ会議での調停を何件かやっての実感としては、調停はウェブ会議に向いていない。
なぜか。
理由は同じです。
対面で話さないと、「説得」や「納得」が難しいからです。
ウェブ会議すら離婚事件に向いていないのに、AIはましてや向いていません。
そこに人間がいないからです。
離婚事件は今後も人間が、対面で、扱うことに変わりは無さそうです。



