「離婚」と「相続」はだんだん似てくる
2019.01.10更新
歳を重ねるにつれて、似てくるのが「離婚」と「相続」です。
まだ若いうちは、資産もそれほどありませんし、亡くなるのもだいぶ先のことなので、「離婚」と「相続」はまるで別のものに見えます。
でも、時が経つにつれ、資産は形成されていきます。
子どもや性生活などの重要度も下がってきます。
離婚するにも数年かかるとして、その間にどちらが亡くなる可能性も上がってきます。
そうなると、がぜん「離婚」と「相続」は似てきます。
子がいる場合、夫婦の相続分は2分の1です。
離婚の財産分与では、共有財産を2分の1ずつに分けることになります。
つまり、自分より相手の方が先に亡くなる可能性が高い場合、財産の分配という点では違いがなくなってきます。
要は、離婚しようがしまいが、経済的には変わらない、ということです。
そうなると、例えば一方が離婚を望んだとしても、もう一方がそれに応じる動機がなくなってくる、ということです。
こうなってくると、離婚したくても、なかなか思うように行かなくなってきます。
ある程度以上年齢が上がってからの離婚したい場合、将来の相続まで視野に入れて戦略を立てる必要が出てくる、ということです。
「離婚」と「相続」の最大の違いとして、「特有財産」がありますが、それは次回に。
弁護士 小杉 俊介