「公正証書」にはどんな効き目があるのか?
2019.01.07更新
裁判所を通じて離婚するのは、ほんの一部です。
当事者同士の意思が一致しているなら、調停も裁判も必要ありません。
でも、当事者同士の合意はできていても、果たして相手が約束を守ってくれるか不安な場合。
そんな場合に、選択肢として出てくるのが「公正証書」です。
公正証書とは、大まかに言ってしまえば、公証役場で公証人が作成する契約書です。
それ以上ではありません。
相手が守ってくれないなら、単なる紙切れです。
公正証書を作ることの意味は、最終的には1つしかありません。
それは、強制執行が可能になることです。
離婚の場合、具体的には、相手が約束した養育費を払ってくれない場合に、給料を差し押さえることが出来るようになります。
逆に言えば、それ以外はほぼ意味はないと言っていいです。
結局、離婚で大切なのは「合意」です。
相手を強引に合意させることはできず、話し合いを重ねるしかありません。
一足飛びに相手に合意させる。そんな力は公正証書にはありません。
公正証書に期待し過ぎず、いざという時の給料差押えのための手段だと割り切るのが現実的です。
弁護士 小杉 俊介