弁護士の知っている「離婚」だけが「離婚」ではない
2018.12.21更新
弁護士という仕事をしていると、平均よりはだいぶ多い数の「離婚」を見ることになります。
見るだけでなく、代理人として中に入って深く関わることも多いので、つい、人よりは離婚について知っているつもりになることがあります。
でも、弁護士が仕事で知っている離婚は、離婚全体のごく一部に過ぎません。
しかも、相当偏りのある一部です。
簡単に言えば、こじれ、もつれ、対立している方向に偏っています。
仕事を離れた知人から相談を受けることもありますが、それだって「知り合いに弁護士がいるから相談してみよう」と思うような件なので、やっぱり偏っています。
世の中には、円満に離婚している方々はたくさんいます。
保育園に交互に迎えにくるし、行事には家族全員で参加するので、何年も離婚していることを知らなかった方もいました。
色々あっても復縁している方たちだってたくさんいます。
弁護士のところに相談に来られた方の中にだって、そういう形で、円満に離婚できる方がいるかもしれません。
正直に言ってしまえば、今のところ、仕事で扱った中にそういう依頼者の方はいません。
でも、そういう可能性はいつだって開かれている。
公正証書や調停や裁判だけが出口じゃない。
そのことはこれからも忘れないようにしたいです。